直木賞 西加奈子さんのサラバ!
久しぶりに読んだ小説でした。
図書館で予約して何ヵ月も待ち、この夏やっと読みました。
この前、書店に文庫本が積まれていたので感想書いてみます。
読み終わってしばらくは衝撃を受けて、どう感情を表現したらいいのかわからなかった。とにかくすごいなと思った。小説って、芸術なんだと感じた。作者の表現の仕方に驚いた。においなど、五感全ての感覚を伝えるような表現に新鮮さを覚えた。
物語は、一人の少年の産まれた時から30代までの人生が描かれている。
全く内容を知らずに読んだので、こんなに精神的に深い部分に触れているとは思わなかった。
宗教や価値観、家族との関係、生き方。様々なことを考えさせられる。
周りの人がどう考え、どう生きるのかを気にするのではなく、自分は何を信じ、どう生きたいのかを問われたと思う。
「あなたが信じるものを、誰かに決めさせてはいけないわ。」
この本の最終章の題目。心に響くメッセージ。
自分はどれくらい自分らしいのだろう。
多くの人の考え方、価値観に影響されて今を生きている。
家族や友人、お世話になった恩師。
気の合う人、合わない人。
本や映画、ドラマ、テレビ、雑誌。
誰と出会い、誰と過ごすかで、自分がどんな人間になるのか決まる。
人との出会いはほんとに重要なものだ。
今はあまりにも多くの情報が溢れている。
何が正しく間違っているのか。
自分自身が見極めていかなくてはならない。
自分の心の羅針盤を大切にして生きたい。
私は私の信じるものを中心に生きる。
普段は、育児書など実用的な本を読むことが多い。いつもとは違うジャンルの本を読むことで視野が開け、自分の小さな世界観からちょっと抜けられると感じます。