20年ぶりに会った友人
最後に姿を見かけたのは、高校生だっただろうか。私よりも一つ学年が下だった。
小学生の低学年ごろまでは、毎日のように本当によく遊んでいた。家が近かった。
私は大学生になって家を出たし、彼女はいつの間にか引っ越していた。
時々どうしてるのかなと気になったが、もう会うことはないだろうと思っていた。
母親同士がたまたまスーパーでばったりと会い、私が実家に帰ってきた時に遊びに行くねとなったそう。
本当に懐かしい。
会いたいと言ってくれる人にはできるだけ会っておきたい。次いつ会えるかわからないから。一生会う機会がないかもしれない。
実際会ってみると、彼女はずいぶんと大人になった(当たり前だが)。お互い結婚もした。当然ながらいろんな状況が変わった。
変わらなかったのは、話し方。私の方が歳上だけど、変わらずちゃんづけで呼んでくれた。親しみのある呼び方。昔と何も変わらないのではと感じさせた。
別れ際、意外にもファミコンの話になった。
スーパーマリオブラザーズ。私達はよく外で遊んだが、家の中でもよく遊んだ。女の子同士だけど、テレビゲームも好きだった。彼女が言うには、私の方がファミコンが得意で、彼女が苦手なある場面になると、いつも私が代わりにやってあげていたそうだ。そんなこと全然覚えていない。
ファミコンはずっと実家にあったが、結婚する時にとうとう捨てた。
私は女の子の割にはゲームが得意だったっけ。そして、好きだった。私は私自身のことを忘れていた。
記憶に残る思い出は人それぞれだ。
昔の友人から、過去の私について聞きたくなった。今の自分とは別人の私がいた。
友達や家族のいろんな記憶の断片を繋ぎあわせて、過去の自分と出会ってみたい。
今度は彼女の家で会おうねと言って別れた。
人とのご縁って不思議だ。