上橋菜穂子さんの精霊の守り人
精霊の守り人、この前の土曜日に終わってさみしくなりました。綾瀬はるかさん、素敵でしたね。
文庫本読んでみました。
小学生や中学生の時は、こんな物語大好きだったなぁと思い出しました。
小説を読みながら、人のさまざまな感情を学べるものです。我が子にはいろんな本を読んで欲しいなと思います。
子供が読んでも面白いだろうけど、大人になっていろんな経験をしたからこそ、登場人物たちの感情に共感できます。
選ぶことのできない自分の境遇をいかに生き抜くか。
何かを選択できるとしたら、それは本当に幸せなことなのだと思う。
日本では当たり前のように、今日は何食べようかなって考えるけど、世界では3食ご飯を食べられない人の方が多い。
何を食べたいか選択できない人がいるなんて普段は考えもしない。
選択肢が多いことで悩みが増えることもあるが、それは本当に幸せな悩みであると思う。
本を読んで印象に残った部分。
バルサがジグロに命を救われ育てられてきたが、別れを切り出した時の回想場面。P.246
「十六のときジグロに別れようっていったんだ。わたしはもう、自分の身は自分で守れる。追手に負けて死んだら死んだで、それがわたしの人生だって。もうジグロには充分たすけてもらった。もういいから、他人にもどって、どうか自分の一生を生きてくれって、ね」
「いいかげんに、人生を勘定するのは、やめようぜ、っていわれたよ。不幸がいくら、幸福がいくらあった。あのとき、どえらい借金をおれにしちまった。······そんなふうに考えるはやめようぜ。金勘定するように、過ぎてきた日々を勘定したらむなしいだけだ。おれは、おまえとこうして暮らしてるのが、きらいじゃない。それだけなんだ、ってね」
過ぎた日々を勘定したらむなしい。
ただ一緒にいたいだけ。
今の自分の心を大切にして生きたジグロだったのだなと思います。
この本の中で、ジグロのことはあまり書かれていないので、次の闇の守り人が楽しみです。